昨今ブームになっている投資の中でも幅広く分散したい方に人気なのが全世界株式になります。
その中でもおすすめの投資先としてよく上がるのが
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- VT
ではないでしょうか?
本ブログでも全世界を対象にした投資信託として上記に連動するファンドをおすすめしています。
ただし、こういった疑問が湧いてきませんか?

結局どっちに投資した方が良いんだろう?
ということですね。
どっちに投資すれば良いかというのは、将来のリターンはどっちが良いかという質問になってしまうため、「わかりません」という回答になってしまいます。
しかし、過去のデータを比較するとVTの成績が良かったということがわかりました。
そこで本記事では
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とVTの基本情報を振り返り
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とVTの過去のチャートを比較
することで、今後の投資の参考になればと思います。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とVTの基本情報
それではeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とVTの基本情報から見てみましょう。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は投資信託なので、ここからはVTと同様にETFである「ACWI」で比較していきます。
以下に簡易的な表を作成しました。
名称 | 銘柄数 | 特徴 |
ACWI | 2900以上 | 全世界の時価総額約85%以上をカバー |
VT | 9000以上 | 全世界の時価総額約98%以上をカバー |
ACWIよりもVTの方が中・小型株まで含まれているため、より幅広い分散ができていることがわかります。
ここでACWIとVTがどれくらい人気があるのか、純資産総額を見てみましょう。
順位 | ファンド名 | 経費率 | 純資産総額 |
46 | VT | 0.07% | 3.2兆円 |
56 | ACWI | 0.32% | 2.4兆円 |
46位にVT、56位にACWIという結果でした。
両者とも2兆円以上の純資産総額を誇っており人気のETFとなっています。
次に各ファンドの構成銘柄TOP10とその比率について比較していきます。
順位 | ACWIの銘柄 | ACWIの比率 | VTの銘柄 | VTの比率 |
1 | アップル | 3.60 | アップル | 3.00 |
2 | マイクロソフト | 3.41 | マイクロソフト | 2.80 |
3 | アマゾン | 2.26 | アルファベット | 2.10 |
4 | テスラ | 1.42 | アマゾン | 1.90 |
5 | アルファベット(Google Class A) | 1.26 | メタ(Facebook) | 1.10 |
6 | アルファベット(Google Class C) | 1.23 | テスラ | 0.80 |
7 | メタ(Facebook) | 1.16 | TSMC | 0.70 |
8 | エヌビディア | 1.05 | バークシャー・ハサウェイ | 0.70 |
9 | TSMC | 0.75 | エヌビディア | 0.70 |
10 | JPモルガン・チェース | 0.73 | JPモルガン・チェース | 0.60 |
構成銘柄TOP10とその比率を見てみて次のことがわかります。
- 順位に違いがあれど、構成銘柄は大きく同じ
- 構成銘柄TOP10の比率はACWIで16.87%、VTで14.40%
- ACWIの方が構成銘柄が約3倍も少ないが、TOP10の構成比率は大きく変わらない
これらの情報を元に、過去ACWIとVTではどっちの方が成績が良かったのかを比較していきます。
ACWIとVTの過去チャート比較
早速ACWI(eMAXIS Slim 全世界株式)とVTのどっちが成績が良かったのか、過去チャートを比較していきましょう。
ETFReplayを利用して、以下の条件で比較していきます。
- VTIの設定日である2008/6/24から比較する
- ACWIとVTIの比較パターンとして「2008/6/24~2021/12/31」で比較する
本来は比較パターンを複数用意したかったのですが、設定日からの期間が短かったため1パターンでの比較とします。
実際に比較した結果は、以下の通りになりましたので確認してみましょう。
ACWIとVTのチャート比較(2008/6/24~2021/12/31)

この期間のリターンは以下の通りです。
期間 | ACWIのリターン | VTのリターン | 結果 |
2008/6/24~2021/12/31 | 179.5% | 196.6% | VTの勝ち |
2008年はリーマンショックがあったため最初は下がっていますが、その後は両方とも右肩上がりとなっていますね。
より幅広く分散されているVTの方が、リターンとしては良かったことがわかりました。
ACWIとVTのチャート比較まとめ
ACWIとVTのチャートを比較した結果、以下のようになりました。
期間 | ACWIのリターン | VTのリターン | 結果 |
2008/6/24~2021/12/31 | 179.5% | 196.6% | VTの勝ち |
1パターンしか比較していないため、いまいちなところではありますが、長期で運用するとVTの方がリターンが良かったです。
ACWIは投資していないけど、VTは投資している銘柄のリターンが良かったということがわかりました。
これらを元に今後どっちに投資するのかですが、投資対象がETFか投資信託によって変わります。
次に説明してきます。
全世界株をETFまたは投資信託で投資する場合は?
ここまでの説明で全世界株に投資してみたいと思われた方に向けて、投資する方法としては「ETF」に投資するか「投資信託」に投資するかどちらかになります。
ETFや投資信託には保有しているだけでかかるコストが存在しています。
保有しているだけでかかるコストについてですが
- ETFの場合…経費率
- 投資信託の場合…信託報酬
と呼び、上記はほとんど同じ意味だと思ってもらえれば良いです。
ETFに投資する場合、投資対象は先ほどチャート比較していた「ACWI」と「VT」になります。
こちらの経費率について表にまとめました。
ファンド名 | 経費率 |
ACWI | 0.33% |
VT | 0.08% |
ETFで投資する場合、過去の成績や経費率の観点を踏まえるとVTの方がおすすめとなります。
続いて投資信託に投資する場合ですが、タイトルにもある「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」になります。
楽天・全世界株式インデックス・ファンドは「楽天VT」と呼ばれることもあり、名前の通り「VT」に連動する投資信託になります。
こちらの信託報酬について表にまとめました。
ファンド名 | 信託報酬 |
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 0.1144% |
楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT) | 0.202% |
投資信託に投資する場合、過去の成績を考えると「楽天VT」の方に軍配が上がりますが、信託報酬で考えると「eMAXIS Slim 全世界株式 (オール・カントリー) 」の方が有利になります。
そのため悩ましいところではありますが、個人的には今後の成績が不確実な方よりも信託報酬が確実に低い「eMAXIS Slim 全世界株式 (オール・カントリー) 」の方が良いかも?という感じです。
ここまでETFと投資信託について見てきましたが、個人的にはETFよりも投資信託をおすすめします。
投資信託をおすすめする理由については、以下の記事にありますので参考にしてみてください。
【余談】米国株と比較した場合の成績は?
ここまで全世界株ETFであるACWIとVTについて比較してきましたが、同時期の米国株ETFと比較したらどうなるか気になりませんか?
ここではS&P500に連動するETFである「SPY」と米国全体に連動するETFである「VTI」を「2008/6/24~2021/12/31」の期間で比較してみました。

各チャートのリターンを表にしました。
期間 | ACWIのリターン | VTのリターン | SPYのリターン | VTIのリターン |
2008/6/24~2021/12/31 | 179.5% | 196.6% | 373.8% | 376.2% |
上記表から見てもわかるように、リーマンショック後の株式市場を牽引してきたのは米国だということがわかりました。
今後も米国が世界を牽引していくと考えているのであれば、米国に投資した方が良いですが本当にそうなるかはわかりません。
「何があったとしても世界全体は成長していく」
この前提を信じるのであれば、全世界株式に分散投資できるeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)やVTといったファンドは良い選択肢となるでしょう。
まとめ:比較した結果を元にeMAXIS Slim 全世界株式とVT、どっちに投資するのかを考えてみよう
本記事ではeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)に連動するACWIとVTの基本情報を紹介し、その後過去の成績を比較してみました。
ACWIとVTの基本情報としては
名称 | 銘柄数 | 特徴 |
ACWI | 2900以上 | 全世界の時価総額約85%以上をカバー |
VT | 9000以上 | 全世界の時価総額約98%以上をカバー |
となります。
また、過去の成績を比較した結果については
期間 | ACWIのリターン | VTのリターン | 結果 |
2008/6/24~2021/12/31 | 179.5% | 196.6% | VTの勝ち |
のようになり、VTの方が成績が良かったという結果でした。
今後どっちに投資していくかについては、ETFに投資するか、投資信託に投資するかによって変わってきます。
- ETFに投資する場合は、過去の成績・経費率を踏まえるとVTがおすすめ
- 投資信託に投資する場合は、信託報酬を加味してeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)が良いかも?
ということになります。
実際のところeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)もVTもどっちもおすすめなので、購入したいと考えている方は楽天証券やSBI証券といった大手ネット証券をおすすめします。
まだ口座開設をしていない方は、この機会にぜひ開設してみてください。
以上、投資の参考になれば幸いです!
関連記事です。
米国株でおすすめされているS&P500とVTIについても比較した記事があります。
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