2018年から始まったつみたてNISAですが、投資初心者におすすめされていることもあり徐々に認知度が高まっています。
つみたてNISAは、金融庁が主に以下の条件で厳選したファンドの集まりです。
長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/overview/index.html
○例えば公募株式投資信託の場合、以下の要件をすべて満たすもの
・販売手数料はゼロ(ノーロード)
・信託報酬は一定水準以下(例:国内株のインデックス投信の場合0.5%以下)に限定
・顧客一人ひとりに対して、その顧客が過去1年間に負担した信託報酬の概算金額を通知すること
・信託契約期間が無期限または20年以上であること
・分配頻度が毎月でないこと
・ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと
金融庁によって厳選されたつみたてNISA対象のファンドは2022年4月時点で約200本となっています。
投資信託協会のデータによると、購入可能な投資信託(公募投資信託)の総数は2022年2月時点で約6000本ありますので、つみたてNISA対象のファンドは全体の3.3%しかないことになります。
そんなつみたてNISA対象ファンドですが、この中ならどれに投資しても良いかといえば必ずしもそうとはいえません。
そこで本記事では、つみたてNISAが開始した2018年から毎年満額投資している私が
- つみたてNISAでおすすめしない投資信託の特徴3選
- つみたてNISAでおすすめする投資信託
について解説していきますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
「そもそもつみたてNISAって何?」っていう方向けに、以下の記事がありますのでよろしければ確認してみてください。
つみたてNISAでおすすめしない投資信託の特徴3選
つみたてNISAでおすすめしない投資信託の特徴として挙げると以下の3つになります。
- 同じ指数に連動しているのに信託報酬が高いファンド
- アクティブファンド
- バランスファンド
それぞれ見ていきましょう。
つみたてNISAでおすすめしない投資信託の特徴①:同じ指数に連動しているのに信託報酬が高いファンド
投資信託は様々な会社がファンドを組成して販売しています。
つみたてNISAの場合、特にインデックスファンドの取り扱いが多いです。
インデックスファンドは、特定の指数(日経平均やNYダウなど)に連動することを目的としていますが、その中でも人気のある指数・人気のない指数が存在しています。
そうなると、人気のある指数に連動するようなインデックスファンドを各社組成することになるため、同じ指数に連動するインデックスファンドが複数存在することになります。
ただし同じ指数に連動しているのに、会社によって信託報酬(年間コスト)が異なるファンドが出てくることがあります。
例えば、投資の神様と言われているウォーレン・バフェットも推奨している指数にS&P500があります。
そんなS&P500に連動する投資信託で、つみたてNISAに選ばれているファンドを以下の表にまとめました。
ファンド名 | 信託報酬(税込) | 純資産総額(億円) | 設定日 | 備考 |
米国株式インデックス・ファンド | 0.495% | 295.74 | 2017/9/29 | 信託財産留保額が0.1% |
iFree S&P500インデックス | 0.2475% | 562.33 | 2017/8/31 | |
農林中金<パートナーズ>つみたてNISA米国株式 S&P500 | 0.4983% | 66.46 | 2017/12/19 | |
NZAM・ベータ S&P500 | 0.2673% | 1.51 | 2020/2/13 | |
SMBC・DCインデックスファンド(S&P500) | 0.0968% | 38.43 | 2020/7/22 | |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.0968% | 1兆1804.71 | 2018/7/3 | 純資産総額が一番 |
つみたて米国株式(S&P500) | 0.22% | 23.97 | 2020/3/6 | |
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | 0.0938% | 5529.48 | 2019/9/26 | 信託報酬が一番 |
Smart-i S&P500インデックス | 0.242% | 42.82 | 2020/7/29 |
上記を見てみると同じS&P500に連動する指数のはずなのに、信託報酬が約0.1~0.5%程度と5倍も違っています。
同じ指数に連動するということは、成績がほぼ同じになりますが、信託報酬の大小でリターンに差が出てしまう可能性が高いです。(信託報酬以外にもありますが割愛します)
一番最初に確認するのは信託報酬で良いですが、それでも絞り込めない場合は純資産総額も確認するようにしましょう。
上記のS&P500で見てみると信託報酬の低い順に
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)(同率2位)
となっています。
この中で考えると信託報酬が一番低い「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」または純資産総額が一番大きい「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」がおすすめです。
純資産総額が大きいと投資信託の運用が安定すると言われているため、信託報酬で絞り込んでもまだ選択肢がある場合は純資産総額も確認してみると良いです。
つみたてNISAでおすすめしない投資信託の特徴②:アクティブファンド
アクティブファンドもつみたてNISAではおすすめしないです。
アクティブファンドとは、ファンドマネージャーといった投資のプロによって運用されており、インデックスファンドを上回る成績を目指すファンドのことを言います。
インデックスファンドは市場平均という名の平均値を目指しているため、アクティブファンドに投資することで、より多くのリターンを期待するということですよね。
しかし、主に以下の2つの理由からおすすめできません。
- ファンドマネージャーによって運用されているため、手数料が高くなる
- 長期的にインデックスファンドに勝ち続けるのが難しい
アクティブファンドは、ファンドマネージャーという人の手によって運用されることで、手数料が高くなってしまうことがデメリットです。
逆にインデックスファンドの場合は、特定の指数に連動させるだけなので人の手があまりかからず、機械的に運用できるため、手数料を抑えることができます。
また手数料が高くなってしまうアクティブファンドですが、長期的にインデックスファンドに勝ち続けるのが難しいという点も言われています。
手数料が高いせいでリターンが低くなってしまうのと、ファンドマネージャーの運用ということで、投資に失敗してしまうリスクもあります。
短期的にはインデックスファンドに勝つこともできるでしょうが、長期的に勝ち続けるとなると難しいであろうというのは、何となく想像できるのではないでしょうか。
つみたてNISAでおすすめしない投資信託の特徴③:バランスファンド
最後にバランスファンドもつみたてNISAではおすすめしないです。
バランスファンドというのは、例えば
- 株式50%:債券50%
- 株式40%:債券30%:REIT30%
といったように異なる資産クラスをいろいろな比率でバランスをとったファンドのことを言います。
バランスファンドは株式100%ではなく債券が含まれていることがほとんどなので、下落相場だと資産の減り方がマイルドになり、安定を求める方に人気のファンドとなっています。
ではなぜバランスファンドをおすすめしないのかというと、上昇相場でも資産の増え方がマイルドになってしまうことでリターンが低くなってしまうことで、つみたてNISAのメリットである投資の利益に税金がかからない、いわゆる非課税メリットの恩恵を最大限受けられないからです。
以下は投資界隈で有名な図であり、200年チャートと呼ばれています。

200年チャートでは
- 株
- 長期国債
- 短期国債
- 金
- 現金(ドル)
に200年間投資していた場合のリターンを表しています。
見てみると一目瞭然ですが、圧倒的に株のリターンが大きいです。
上記の図を見て長期的な資産形成を考えると、バランスファンドではなく株1本で良いと考えています。
また、優良なインデックスファンドに15年以上の投資をした場合に元本割れしないという過去のデータもあります。

つみたてNISAは20年の非課税期間がありますので、リターン最大化を求めるという点においても株1本でも良いと考えています。
つみたてNISAでおすすめする投資信託は?
ここまで、つみたてNISAでおすすめしない投資信託の特徴について解説してきましたが、逆におすすめする投資信託は何かということですよね。
おすすめしない投資信託の特徴のところでも少し触れましたが、つみたてNISAでおすすめする投資信託はインデックスファンドになります。
特に米国株式、先進国株式、全世界株式に連動するインデックスファンドがおすすめです。
世界の中心は米国なので
- 米国のみか
- 米国を中心とした先進国か
- 世界丸ごと含めた全世界株式か
が人気となっています。
そんな中、本ブログでもネット上で人気のある米国株式、全世界株式に連動するつみたてNISA対象のインデックスファンドについて記事にしていますので、ぜひ参考にしてください。
【つみたてNISA対象】おすすめの全米株式型投資信託を比較!
【つみたてNISA対象】おすすめの全世界株式型投資信託を比較!
まとめ:つみたてNISAでおすすめしない投資信託を知り、今後の投資に活かそう!
本記事では、つみたてNISAでおすすめしない投資信託の特徴3選を解説しました。
つみたてNISAでおすすめしない投資信託の特徴は以下の3つになります。
- 同じ指数に連動しているのに信託報酬が高いファンド
- アクティブファンド
- バランスファンド
同じ指数に連動している場合は信託報酬が低いファンドを選ぶようにしましょう。(純資産総額も見ておきましょう)
アクティブファンドは、手数料が高くインデックスファンドに長期的に勝ち続けるのは難しいのでおすすめしないです。
バランスファンドは、長期的に最もリターンが期待できる株式の比率が下がってしまうことで、非課税メリットを最大限受けられないため避けましょう。
逆につみたてNISAでおすすめする投資信託は、米国株式、先進国株式、全世界株式といった米国を中心としたインデックスファンドです。
以下の記事を参考にファンド選びをしてみてください!
【つみたてNISA対象】おすすめの全米株式型投資信託を比較!
【つみたてNISA対象】おすすめの全世界株式型投資信託を比較!
つみたてNISAを始めるのにおすすめの証券口座は楽天証券かSBI証券になります、
まだ口座開設してない方は、この機会にぜひともしてみてください。
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インデックス投資について解説した記事です。
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