昨今、「貯蓄から投資へ」と言われているように投資の重要性が高まってきています。
しかし、「投資をやるのはいいけど、どの会社の株を買えばいいの?」といった声があると思います。
そこで初心者の方におすすめしたいのが、「投資信託」になります。
投資信託って一体何?
投資信託については、投資信託協会に以下のような説明がありました。
投資信託とは、「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」のことです。
https://www.toushin.or.jp/investmenttrust/about/what/
噛み砕いて説明すると、
投資家からお金を集める
↓
運用の専門家が運用する
↓
運用の結果、価格が上下し損益が発生する
というものです。
そのため「どの会社に投資するのか?」というよりも、「どの商品に投資するのか?」ということになります。
投資信託には主にインデックスファンドとアクティブファンドの2種類があります。
それぞれについて説明していきます。
インデックスファンドとは?
インデックスファンドとは、特定の株価指数(市場平均)に連動することを目的として作られたファンドのことをいいます。
- 日経平均株価…日本を代表する225社を集めた指数
- TOPIX…東証一部上場全体の指数
- NYダウ…アメリカを代表する30社を集めた指数
上記の株価指数に連動する具体的なファンド名は以下の通りです。
ファンド名【販売会社】 | |
日経平均株価 | ・eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)【三菱UFJ国際投信】 ・大和-iFree 日経225インデックス【大和投信】 ・ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド【ニッセイ・アセットマネジメント】 |
TOPIX | ・eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)【三菱UFJ国際投信】 ・大和-iFree TOPIXインデックス【大和投信】 ・りそなAM-Smart-i TOPIXインデックス【りそなアセットマネジメント】 |
NYダウ | ・eMAXIS NYダウインデックス【三菱UFJ国際投信】 ・大和-iFree NYダウ・インデックス【大和投信】 ・たわらノーロード NYダウ【アセットマネジメントOne】 |
表に示したファンドはほんの一例に過ぎず、各社が様々なファンドを運用しています。
インデックス投資について解説した記事がありますので、ぜひ参考にしてください。
アクティブファンドとは?
アクティブファンドとは、投資のプロ(ファンドマネージャー)が運用を行い、市場平均以上のリターンを出すことを目的に作られたファンドのことをいいます。
そもそもインデックスファンドのリターンは年率3~7%が平均と言われています。
アクティブファンドではファンドマネージャーに運用をまかせることによって、インデックスファンド以上の利益を求めていきます。
そのためファンドマネージャーの腕によっては、インデックスファンドのリターンを大きく上回ることを期待できます。
反対に
- 信託報酬がインデックスファンドよりも高い
- ファンドマネージャーの投資判断ミス
といったデメリットもあります。
結局インデックスファンドとアクティブファンドどちらが良いのかについては次に解説していきます。
インデックスファンドとアクティブファンドどちらが良いの?
改めてインデックスファンドとアクティブファンドの特徴について表にします。
特徴 | 信託報酬 | |
インデックスファンド | 指数に連動 | 安い |
アクティブファンド | プロが運用 | 高い |
過去のデータでは、70〜80%のアクティブファンドがインデックスファンドに勝てないというデータがあります。
理由となる大きな要因は信託報酬の高さにあります。
ファンドマネージャーが運用しているということは人件費が発生することになるため、その分のコストが信託報酬(手数料)という形で上乗せされることになります。
インデックスファンドの信託報酬の平均は年0.5%、アクティブファンドの信託報酬の平均は年1~2%と言われています。
もしアクティブファンドが2%だった場合、インデックスファンドとの差は1.5%となりますよね。
毎年1.5%のハンデを負いながらファンドマネージャーが運用して、市場以上のリターンを出さなければなりません。
短期間であれば市場を上回ることも可能ですが、それを長期間継続し続けるのは至難の業です。
そのため基本的にはインデックスファンドから始めることをおすすめします。
アクティブファンドに投資したい場合は、勉強して知識が身についてきた場合に検討してみるのが良いと思います。
投資信託を購入する際に気をつけることは?
投資信託を購入する際に気をつけることは以下の4つです。
- ノーロード(販売手数料が無料)であること
- 信託報酬が安いこと
- 純資産総額が大きい(もしくは右肩上がりである)こと
- 毎月分配型投資信託を買わないこと
以下についてそれぞれ見ていきます。
ノーロード(販売手数料が無料)であること
一番最初に気をつけたいのがノーロードの投資信託を購入することです。
近年ではノーロードの投資信託が一般的ですが、まだ古い投資信託では販売手数料がかかることがありますので注意しなければなりません。
また同じ投資信託でも販売会社によっては手数料がかかるところもあるので注意が必要です。
販売手数料がかかるということは、それだけ投資のリターンを押し下げてしまいます。
例えば、販売手数料が投資金額の3%かかる商品に対して、100万円で購入した場合、97万円からスタートすることになります。
ここから101万円になるには、約4.2%のリターンが必要になります。
これがもしノーロードであれば、同じく100万円で購入し101万円になるのに、たった1%のリターンで良くなるわけです。
こういったコストに敏感になる必要があります。
信託報酬が安いこと
信託報酬は、投資信託を保有している間支払い続ける費用のことをいいます。
ようはランニングコストですね。これはかかってしまうことなので仕方ないですが、安いに越したことはありません。
安いというだけで、同じ指数を対象にしていても手数料分だけ差がついてしまうことになります。
例えば、「MSCIコクサイ」という指数に連動させることを目的とした投資信託に、
- eMAXIS 先進国株式インデックス
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
がありますが、信託報酬はそれぞれ
信託報酬 | |
eMAXIS 先進国株式インデックス | 0.648% |
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 0.11772% |
信託報酬は2019/5/5現在のもの
となり0.53028%の差が生まれてしまうことになります。
なので、もし今から購入するのであれば、「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」をおすすめします。
今回比較した「eMAXIS 先進国株式インデックス」と「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」はどちらも三菱UFJ国際投信株式会社が運用しています。
ただし、設定日が「2009/10/28」と「2017/2/27」で「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」のほうが新しいです。
基本的に新しい商品のほうが安くなるため、今買ったとしても未来に出てくる商品がもっと安くなることもあるかと思います。
そうした場合に、乗り換えるべきなのか、そのまま持つべきなのかも検討する必要性が出てくるかもしれません。(現在保有している商品が信託報酬を下げることもあります)
ちなみに信託報酬の目安としては
- インデックスファンドは0.1%~0.2%台
- アクティブファンドは1%
になります。
純資産総額が大きい(もしくは右肩上がりである)こと
純資産総額が大きいということは、それだけその商品に人気がある(支持されている)ということになり、安定した運用が期待できます。
総資産総額が小さいと、人気がないと判断され途中で投資信託の販売を取りやめてしまうことがあります。これを「繰上償還」といいます。
長期投資する上で、繰上償還になってしまっては複利の力を活かせないので、純資産総額が大きいものを選択するようにしましょう。
投資信託には、もともと運用する期間(償還日)が決められている商品も存在したりしています。
これも長期投資する上では必要ないため、「償還日が無期限」の商品を選択するようにしましょう。
しかし総資産総額が大きいという観点だけだと、昔から存在している商品のみとなってしまい、近年登場した良い商品に投資することができません。
そこで考えたいのが、純資産総額が右肩上がりで増えているかどうかです。
この観点があれば、現在人気になっていることがわかり、将来にわたって運用を続けていく期待が持てます。
毎月分配型投資信託を買わないこと
毎月分配型投資信託とは、その名の通り毎月分配金が出る投資信託のことです。
毎月分配金が出るということで不労所得のようで良いと思われますが、毎月分配型投資信託の約7割は、投資の利益以上の分配金を出しているそうです。
つまり、投資家から集めたお金の中から分配金を出しています。
これをタコ足配当といったりします。(タコが自分の足を食べてしまうことに由来する)
結果として、元本を切り崩しながら分配金をもらっているという形になってしまうので、買わないように注意しましょう。
毎月分配型投資信託については記事にしていますので、ぜひ参考にしてください。
どんな商品を買えばいいの?
「じゃあ一体どんな商品を買えばいいのか?」という話になりますが、正直それぞれの人によります。
例えば20代の人と60代の人に同じ商品を勧めづらいですし、人によってリスク許容度が変わってくるからですね。
しかし「投資信託を購入する際に気をつけることは?」で述べたような商品をクリアするようなものはあります。
それは「つみたてNISA」の対象商品です。
つみたてNISAについて聞いたことがある人もいるかと思いますが、
- 2018年より開始
- 投資信託が対象(ETFが3本)
- 年間40万円まで積立投資可能
- 最大20年間運用可能
- 運用したことによる利益が非課税(通常は約20%)
という特徴になっています。
つみたてNISAの対象商品は金融庁が精査した商品となっています。
投資信託の総数は約6000本あるそうですが、金融庁がつみたてNISAに相応しい判断としたのはわずか162本です。(平成30年10月末時点:参考リンクはこちら)
そのため、この中からまずは選ぶと良いでしょう。
つみたてNISAについての記事もありますので、ぜひ参考にしてください。
また投資に関する情報を発信している投資ブロガーの方が推薦している「Fund of the Year」というものも毎年開催されているため、それを参考にするのも良いかと思います。
Fund of the Yearについての記事もありますので参考にしてください。
おすすめ証券会社
投資信託は銀行や証券会社で購入することが可能ですが、ネット証券が断然おすすめとなります。
特に投資信託に力を入れているのは、楽天証券です。
楽天証券では楽天ポイントを使った投資ができたり、楽天カード決済で投資信託を購入することで楽天ポイントが貰えたりと楽天関係のサービスと相性がいいです。
またネット証券最大手のSBI証券もおすすめです。
私自身、楽天証券でもSBI証券でも投資していますが今から始めるのであれば、やはり楽天ポイントを使った投資ができる楽天証券がおすすめとなります。
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