この記事ではアメリカの高配当ETFの中で、日本でも人気になっているETFをまとめて紹介しようと思います。
投資の参考にしてください。(2020年4月29日調査)
VYM(バンガード・米国高配当株式ETF)
VYMの概要
設定日 | 2006年11月10日 |
経費率 | 0.06% |
配当利回り | 2.76% |
銘柄数 | 400 |
VYMは2006年に設定された米国高配当ETFです。
米国の大型株の中でも、予想配当利回りが市場平均を上回る銘柄を、重点的に組入れているファンドになっています。
銘柄数も400と多くの企業に分散されているのにもかかわらず、経費率が驚異の0.06%となっています。
高配当ETFの中でも老舗ですが、企業努力もあり低コストなETFとなっています。
VYMのチャート
以下はVYMの5年チャートになります。

基本的には右肩上がりのチャートを描いています。
2020年初めには90ドル以上ありましたが、新型コロナウイルスショックによって60ドル台にまで落ち込んでしまいました。
記事執筆時点ではそこから78ドルまで戻していますね。
キャピタルゲインとインカムゲインの両方をそこそこに狙いたい方にはおすすめです。
VYMの資産構成

VYMの資産構成を見てみると、金融、消費財・・・と続いています。
各セクター20%を超えず、バランス良く投資されています。
400銘柄を各セクター偏らずに投資しているためすごいです。
HDV(iシェアーズ・コア米国高配当ETF)
HDVの概要
設定日 | 2011年3月29日 |
経費率 | 0.08% |
配当利回り | 3.49% |
銘柄数 | 75 |
HDVは米国株の中でも配当の水準が高く、財務優良な企業に対して投資を行っているETFです。
VYMが400銘柄に対してHDVは75銘柄となっており、VYMに比べて集中投資となっていますがその分配当利回りも高くなっています。
HDVのチャート
以下はHDVの5年チャートになります。

HDVもVYMと同じくキャピタルゲインとインカムゲインをそこそこ狙えるETFになっています。
2020年初頭には100ドル近く上がりましたが、新型コロナウイルスショックによって60ドル台に落ちてしまいました。
記事執筆時点では81ドル台と、半値戻しています。
HDVの資産構成

HDVの資産構成を見てみると、エネルギー、ヘルスケア・・・と続いていますが、この2つだけで45%ほど占めています。
同じ高配当ETFでも、VYMと資産構成がぜんぜん違うのがわかりますね。
エネルギーは景気敏感株ですが、ヘルスケア、通信、生活必需品、公益事業とディフェンシブ株が続いているため、バランスを取った形になっています。
SPYD(SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF)
SPYDの概要
設定日 | 2015年10月22日 |
経費率 | 0.07% |
配当利回り | 4.39% |
銘柄数 | 80 |
SPYDは2015年に設定された比較的新しいETFであり、コンセプトが面白いです。
そのコンセプトとは
- S&P500の中で配当利回りが高い上位80銘柄を1.25%ずつ均等投資する
というものです。
財務が優良とか一切関係ないため、他のETFには見られないような企業が入ってきやすく、配当利回りも一番高いです。(ただしS&P500構成銘柄なので財務がボロボロというわけではないと思います)
そのため、他のETFと組み合わせて投資するのが良いかなと思います。
SPYDのチャート
以下はSPYDの5年チャートになります。

ファンドができてから日が浅いということもありますが、概ね30~40ドルの間を推移していました。
新型コロナウイルスショックの影響によって25ドル以下に急落しましたが、記事執筆時点では27ドル台になっています。
VYM、HDVと比べてみると戻りは弱いですね。
VYMやHDVは大型株や財務優良企業への投資が多いのに対し、SPYDはあくまで配当利回り上位の銘柄に対して投資しているため、戻しきれてなさそうです。
SPYDの資産構成

SPYDの資産構成を見てみると、不動産、金融・・・と続いています。
SPYDはS&P500の配当利回り上位80銘柄を1.25%均等に投資しているにもかかわらず、どのセクターにもバランスよく分散されていますね。
また、VYMでは金融、HDVではエネルギーが組入比率が1番大きいですが、SPYDについては不動産となっており、各ETFごとの特色が見えますね。
LQD(iシェアーズ iBoxx 米ドル建て投資適格社債ETF)
LQDの概要
設定日 | 2002年7月22日 |
経費率 | 0.15% |
配当利回り | 3.20% |
銘柄数 | 2011 |
LQDは上記3つのETFとは毛色が異なっています。
上記3つのETFは株式に投資しているのに対して、LQDは社債に投資しています。
社債とは企業が発行している債権のことを言います。
国が発行している債権のことは「国債」といい、こっちのほうが聞き馴染みがありますよね。
LQDは社債の中でも「投資適格社債」に多く投資しています。
社債には、発行体の信用力を見る指標として第三者格付機関によって付与される格付によって、大きく2つの信用区分に分類することができます。
BBB格以上の債券は投資適格債(Investment Grade Bond)、それ未満の債券はハイイールド債(または非投資適格債券、投機的格付債券、ジャンク債)と呼ばれます。
投資適格債には4段階の格付区分(AAA〜BBB)があり、ハイイールド債には5段階の格付区分(BB〜C)があります。投資適格社債は社債の中でも相対的に信用力が高く、リスクの低い社債であると考えられます。
https://japan.pimco.com/ja-jp/resources/education/bond-basic-what-is-investment-grade-credit
さらにLQDは2011銘柄に分散しているため、安定性が段違いとなっています。
LQDのチャート
以下はLQDの5年チャートです。

LQDは社債ということもあり110ドル~120ドル台と価格が安定しています。
キャピタルゲインを狙うのではなく、インカムゲイン狙いの投資になります。
2020年3月6日に134ドルをつけていましたが、そこから2週間後の3月19日には105ドルまで暴落しました。
2020年4月には130ドル付近と急騰し年初の水準に落ち着いているため、社債の安定性が見てとれますね。
LQDの資産構成

LQDの資産構成を見てみると、銀行業、非景気循環間消費・・・と続いています。
非景気循環間消費については、書いてなかったのですが、おそらく生活必需品やヘルスケアといった景気の影響を受けにくいセクターのことだと思います。
銀行業も24.8%と割合が大きいですが、非景気循環間消費、通信といったディフェンシブな企業にも投資して分散しています。
まとめ
米国高配当ETFについて紹介してみましたが、いかがでしたでしょうか?
上記で見てきた米国高配当ETFには次のような特徴があります。
- 幅広く分散されている
- 低コスト(経費率が低い)
残念ながら、日本ではこういった高配当ETFはないようです。
米国高配当ETFに興味を持ったら、SBI証券で投資するのがおすすめです。
以下の記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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