昨今ブームになっている米国株投資ですが、おすすめの投資先としてよく上がるのが
- S&P500(SPY、IVV、VOO)
- VTI
ではないでしょうか?
本ブログでも米国を対象にした投資信託として上記に連動するファンドをおすすめしています。
ただし、こういった疑問が湧いてきませんか?

結局どっちに投資した方が良いんだろう?
ということですね。
どっちに投資すれば良いかというのは、将来のリターンはどっちが良いかという質問になってしまうため、「わかりません」という回答になってしまいます。
しかし、過去のデータを比較するとVTIの成績が良かったということがわかりました。
そこで本記事では
- S&P500とVTIの基本情報を振り返り
- S&P500とVTIの過去のチャートを比較
することで、今後の投資の参考になればと思います。
S&P500とVTIの基本情報
それではS&P500とVTIの基本情報から見てみましょう。
以下に簡易的な表を作成しました。
名称 | 銘柄数 | 特徴 |
S&P500 | 500 | 米国を代表する大型株500社で構成されており米国市場の時価総額約80%をカバー |
VTI | 3500以上 | 大型株だけでなく中・小型株まで含めた米国市場全体をカバー |
S&P500よりもVTIの方が中・小型株まで含まれているため、より幅広い分散ができていることがわかります。
ここでS&P500とVTIがどれくらい人気があるのか、インデックスファンドの純資産総額TOP5を見てみましょう。
順位 | ファンド名 | 経費率 | 純資産総額 |
1 | SPY | 0.09% | 50.8兆円 |
2 | IVV | 0.03% | 41.1兆円 |
3 | VOO | 0.03% | 35.9兆円 |
4 | VTI | 0.03% | 35.7兆円 |
5 | QQQ | 0.2% | 23.9兆円 |
なんと1位~3位がS&P500に連動するETFで4位がVTIという結果になっています!
S&P500とVTIは、世界的に見てもトップクラスに人気のあるインデックスファンドということがわかりますね。
次に各ファンドの構成銘柄TOP10とその比率について比較していきます。
S&P500は指数なので、ここからはS&P500に連動するETFであるSPYで見ていきます。
順位 | S&P500(SPY)の銘柄 | S&P500(SPY)の比率 | VTIの銘柄 | VTIの比率 |
1 | マイクロソフト | 6.36% | アップル | 5.02% |
2 | アップル | 5.97% | マイクロソフト | 4.79% |
3 | アマゾン | 3.81% | アマゾン | 3.19% |
4 | テスラ | 2.51% | メタ(Facebook) | 1.83% |
5 | アルファベット(Google Class A) | 2.25% | アルファベット(Google Class A) | 1.82% |
6 | アルファベット(Google Class C) | 2.11% | アルファベット(Google Class C) | 1.64% |
7 | メタ(Facebook) | 2.02% | テスラ | 1.40% |
8 | エヌビディア | 1.87% | エヌビディア | 1.11% |
9 | バークシャー・ハサウェイ | 1.34% | JPモルガン・チェース | 1.10% |
10 | JPモルガン・チェース | 1.27% | バークシャー・ハサウェイ | 1.06% |
構成銘柄TOP10とその比率を見てみて次のことがわかります。
- 順位に違いがあれど、構成銘柄はどちらも同じ
- 構成銘柄TOP10の比率はS&P500で29.51%、VTIで22.96%
- S&P500の方が構成銘柄が500社と少ないため比率が大きい
これらの情報を元に、過去S&P500とVTIではどっちの方が成績が良かったのかを比較していきます。
S&P500とVTIの過去チャート比較
早速S&P500とVTIのどっちが成績が良かったのか、過去チャートを比較していきましょう。
ETFReplayを利用して、以下の条件で比較していきます。
- S&P500は連動するETFで歴史のある「SPY」で比較する
- VTIの設定日である2001/5/31から比較する
- SPYとVTIの比較パターンとして「2001/5/31~2009/12/31」、「2010/1/4~2019/12/31」、「2001/5/31~2021/12/31」の3パターンで比較する
比較パターンを複数用意したのは、比較する時期によってリターンが異なるためです。
そのため今回は3パターン用意して比較することにしました。
実際に比較した結果は、以下の通りになりましたので確認してみましょう。
S&P500(SPY)とVTIのチャート比較(2001/5/31~2009/12/31)

この期間のリターンは以下の通りです。
期間 | S&P500のリターン | VTIのリターン | 結果 |
2001/5/31~2009/12/31 | 4.0% | 14.4% | VTIの勝ち |
2000年代はITバブルの崩壊とリーマンショックがあったため、両方ともリターンが良くなかったです。
特にSPYは約10年で4%しか上がっていないことを考えると、相当米国の大型株の状況に逆風が吹いていたことがわかりますね。
S&P500(SPY)とVTIのチャート比較(2010/1/4~2019/12/31)

この期間のリターンは以下の通りです。
期間 | S&P500のリターン | VTIのリターン | 結果 |
2010/1/4~2019/12/31 | 246.9% | 246.7% | ほぼ同じ(超僅差でS&P500の勝ち) |
2000年代と違って2010年代はGAFAMを始めとしたIT企業が躍進した10年であり、両方ともほぼ同じリターンとなりました。
なお、コロナショックは2020年なので上記チャートには含まれていません。
S&P500(SPY)とVTIのチャート比較(2001/5/31~2021/12/31)

この期間のリターンは以下の通りです。
期間 | S&P500のリターン | VTIのリターン | 結果 |
2001/5/31~2021/12/31 | 459.1% | 513.6% | VTIの勝ち |
約20年という最も長期間となった比較ですが、これを見るとVTIの圧勝となりました。
2番目の「2010/1/4~2019/12/31」のチャートを比較した際はほぼ同じリターンでしたが、このチャートで同様の期間を見るとVTIの方がリターンが上回っていますね。
1番目の「2001/5/31~2009/12/31」のチャートでVTIの方がリターンが大きかったことが、その後現在に至るまで影響を及ぼしているようです。
またコロナショック後の伸びもVTIの方が大きいですね。
S&P500(SPY)とVTIのチャート比較まとめ
S&P500とVTIのチャートを比較した結果、以下のようになりました。
期間 | S&P500のリターン | VTIのリターン | 結果 |
2001/5/31~2009/12/31 | 4.0% | 14.4% | VTIの勝ち |
2010/1/4~2019/12/31 | 246.9% | 246.7% | ほぼ同じ(超僅差でS&P500の勝ち) |
2001/5/31~2021/12/31 | 459.1% | 513.6% | VTIの勝ち |
これらの結果から、過去長期運用した場合はVTIの方がリターンが大きいことがわかりました。
VTIの特徴として中・小型株を含んだ米国全体に投資しているため、過去20年では中・小型株のパフォーマンスが良かったんですね。
これらを元に今後どっちに投資するのかですが
- 今後は2010年代のGAFAMのように大型株が市場を牽引していくと考えるのであればS&P500
- 今後も中・小型株のパフォーマンスが大型株を上回ると考えるのであればVTI
ということになります。
【余談】米国の中型株・小型株の成績は?
ここまでS&P500、VTIを比較してVTIの方がリターンが良かったことがわかりました。
ということは米国の中型株・小型株の成績はもっと良かったということですよね?
米国の中・小型株の成績についても知りたいと思いませんか?
実は米国には様々なETFが存在しており、米国の中・小型株についても対応するETFが存在しています。
そこで米国の中型株ETFである「IJH」と米国の小型株ETFである「IJR」を「2001/5/31~2021/12/31」の期間で比較してみました。

各チャートのリターンを表にしました。
期間 | S&P500のリターン | VTIのリターン | IJHのリターン | IJRのリターン |
2001/5/31~2021/12/31 | 459.1% | 513.6% | 614.5% | 705.0% |
この中で一番良かったのは圧倒的に「IJR(米国小型株ETF)」、続いて「IJH(米国中型株ETF)」という結果になりました。
やはり大型株だけで構成されているS&P500よりも、中・小型株が含まれていることでVTIのリターンを押し上げていたことがわかりました。
まとめ:比較した結果を元にS&P500とVTI、どっちに投資するのかを考えてみよう
本記事ではS&P500とVTIの基本情報を紹介し、その後過去の成績を3パターンに分けて比較してみました。
S&P500とVTIの基本情報としては
名称 | 銘柄数 | 特徴 |
S&P500 | 500 | 米国を代表する大型株500社で構成されており米国市場の時価総額約80%をカバー |
VTI | 3500以上 | 大型株だけでなく中・小型株まで含めた米国市場全体をカバー |
となります。
また、過去の成績を比較した結果については
期間 | S&P500のリターン | VTIのリターン | 結果 |
2001/5/31~2009/12/31 | 4.0% | 14.4% | VTIの勝ち |
2010/1/4~2019/12/31 | 246.9% | 246.7% | ほぼ同じ(超僅差でS&P500の勝ち) |
2001/5/31~2021/12/31 | 459.1% | 513.6% | VTIの勝ち |
のようになり、VTIの方が成績が良かったという結果でした。
今後どっちに投資していくかについては
- 今後も中・小型株のパフォーマンスが優れていると考えるのであればVTIがおすすめ
- 大型株のみの方が優れていると考えるのであればS&P500がおすすめ
ということになります。
実際のところS&P500もVTIもどっちもおすすめなので、購入したいと考えている方は楽天証券やSBI証券といった大手ネット証券をおすすめします。
まだ口座開設をしていない方は、この機会にぜひ開設してみてください。
またこれらを購入する場合、ETFに投資するか投資信託に投資するのか選択することになりますが、個人的には投資信託がおすすめです。
投資信託をおすすめする理由については、以下の記事に書いたのでぜひ見てください。
また、全世界株の投資対象として有名なeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とVTの比較記事も作成しました。
以上、投資の参考になれば幸いです!
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